目の錯覚を大事にする

美しい浄書を実現するには、杓子定規なやり方ではうまくいかないことも多いです。

 

楽譜は、さまざまな図形が隣り合ったり交わったりしています。それにより、本当は同じ傾きや長さだったり、理屈に合った配置なのに、そうは見えない、といった現象が起きがちです。

そうした、誰にでも起こる錯覚を考慮に入れて、配置やアイテムの形状を調整することが、とても大切です。

 

楽譜ソフトはそれぞれ、そうした感覚を、ある程度はプログラム化しているのですが、やはり十分とは言えません。膨大な微調整が必要になりますが、それをするのとしないのとでは、ぱっと見たときに頭に入ってくる情報量がまったく違ってきますし、誤読のリスクも異なります。

 

ある意味機械的な美しさが求められる浄書ですが、実はとても、人ならではの曖昧な感覚を大事にした、人間的な作業なのです。