浄書ミスから見る楽譜

あってはならないことではありますが、ときどき、出版された楽譜にも浄書ミスが見つかることがあります。こうしたミスには、浄書法の特徴が出ることがしばしば。

 

右上の写真は、浄書ミスのあるもの、右下の写真は正しい表記の楽譜です。

 

ピアノの譜面ですが、右手アルト声部の4分休符と左手のH(4分音符)は本来、右手ソプラノ声部の16分休符と同じ位置にないといけません。

が、上の写真では、右手ソプラノ声部のGの音に縦位置がきてしまっています。

 

このようなミスは、コンピュータ浄書(少なくとも、Finaleのような市販ソフトを使った浄書)ではほぼ100%ありません。ソフトの方で、あらかじめ禁則処理がかかるからです。人の手による浄書ならではのミスです(そのかわり、コンピュータ浄書ではなかなかできない繊細な美しさを備えていますし、どちらが良いという問題ではもちろんありません)

 

今から40年ほど前の出版譜ですが、こんなうっかりを見つけると、当時の職人さんの作業の様子が思い浮かぶようで、どこか人間らしさにほっこりしたりも。

 

もちろん、間違いはないに越したことはありません。浄書ミスが重大な音楽的誤解につながることもありますし、お仕事させていただく上では、ほっこりでは済まないという自覚を持っていかなければなりませんね。

Clavisは、間違いのないきっちりした仕事を、これからも心がけて参ります。

誤った表記

正しい表記