異名同音の取り扱い

非常に難しいテーマです。

こうすべき、というルールが、あるようでないのが、この異名同音だと思います。

 

もちろん、基本的には、調性や和声の観点から、杓子定規的な意味での正しい書き方を導くことは可能です。

 

しかし、あまりそれにこだわってしまうと、ダブルシャープが連発したり、

小節内のすべての音に臨時記号がつく結果となってしまったり、

読む側に大きな負担を強いることになる場合も。

 

楽器によっても、フラットの方が得意、シャープの方が楽、など、読みやすい譜面(ふづら)は違います。

 

箇所によっては、和声よりも旋律線としての読みやすさを取ったほうが親切な楽譜になりますし、

和音の変化を感じ取りやすくするために、敢えて別の書き方を採用した方が良いこともあります。

 

臨時記号は、基本的には、主調からみて非和声的な響きに振れた音に付くものですから、

臨時記号が付くことで、その音に対する演奏者の意識が変わることも珍しくありません。

少し緊張感を持たせたくなったり、怪しげな雰囲気を醸し出したくなったり。

そうしたことも、どこかで頭に置いておく必要があります。

 

多くの作編曲家、そして編集者は、こうした判断の拠り所を、長年の経験からお持ちです。

今はひたすら、勉強させていただくことばかりですが、

こういった、一見なんでもなくされているような工夫についても、

安心してお任せいただけるお仕事をしていきたい、できるようになりたいと思っています。