プレートナンバーから知る歴史の重み

ヨーロッパやアメリカの出版社の楽譜。

よく、各ページの下の方(フッタ部分)に、

謎の記号や数字が刻印されています。

プレートナンバーといいます。

 

出版社が、自社の版下を管理するための番号で、

これを見ると、版下の大元の制作年代、ルーツなどがわかります

(同じプレートナンバーで、版下をまったく別物に作り直してしまっているケースもありますが)。

 

右上の図は、アムステルダム・ロジェ社によるヘンデル「クラヴサン組曲第1集」プレートナンバー(561)です(IMSLP)。1730年のものです。一般に入手可能な出版楽譜としては、かなり古い部類のものかと思います。

 

著作権の使用許可を得ていない海賊版として有名な版なので、例にあげて良いものか少々迷いましたが、

ロジェ社の始祖エスティン・ロジェは、その高い版刻技術で名前を知られた浄書家でした(BaroqueMusic.org)。その技術を目の当たりにできるという意味では、資料価値の高い楽譜だと思います。

 

この楽譜が、今からおよそ300年も前に彫りつけられたものであること、それがこうして現代まで保存されてきたことを思うと、その歴史の重みに圧倒されます。