記譜のルール

ふだん、何気なく読んでいる楽譜。

いざ書くとなると、「こういうときどうするんだっけ・・・?」となること、ありませんか。

ちょっとルールを知っているだけでも、楽譜の見栄えはずいぶんと良くなります。

知っていると便利なルールをご紹介していきます。


タイとスラー

楽譜を読むとき、何気なく読み分けているタイとスラーですが、浄書上は、こんな風に区別して描いています。

タイ

タイが始まる音の符頭(たま)の1〜2時あたりから、終わる音の符頭(たま)の10〜11時あたりへつなぎます。曲線にあまり膨らみは持たせません。音がまっすぐ伸びるイメージです。

 

スラー

スラーが始まる音から終わる音までを包み込むようにかけます。音の高低に照らして自然な放物線をなすように描きます。音がふんわりと連なっていくイメージです。

 

タイとスラーの同居

スラーの始点や終点にタイでつながれた音がある場合、基本的にはどちらの音もスラーの中に入れます。タイでつながれた音は、音楽上ひとつの音だからです。


符尾の長さ

符尾(ぼう)の長さの基本は、3間半(1オクターブ)


加線のつく音符は、長さを伸ばし、第3線に符尾のお尻がつくようにします。

3間半の長さの原則を守るより、音が捉えやすくなります。



アーティキュレーション記号

アーティキュレーション記号は、ひとつの音符に対して、どのように演奏するかを指示するものです。

アクセント、スタッカート、テヌート記号などがそれにあたります。

基本的な配置

通常、符頭(たま)側に配置しますが、声部が複数ある場合、混乱を避けるため、符尾(ぼう)側(=他の声部を邪魔しない位置)に配置します。

また、横位置は、記号の中央を符頭(たま)の中央に必ず合わせるようにします。

 

アーティキュレーション記号どうしの配置

同じ音符に対し、アーティキュレーション記号が複数つく場合には、符頭(たま)の近くから、スタッカート→テヌート→アクセントの順に配置します。小さな記号から順番に置くと考えると覚えやすいです。

 

アーティキュレーション記号とスラー

アーティキュレーション記号のついた音符にスラーがかかっている場合、基本的にはアーティキュレーション記号をスラーの内側に収めます。

しかし、アクセント記号(アクセント、マルカート<山型アクセント>等)に限り、スラーの始点・終点ではスラーの外側に配置します。高さのある記号のため、無理にスラーの内側に配置してしまうと、スラーの形が不自然になり、譜面が読みづらくなってしまうからです。



関連文献

  • 平石博一 著「楽譜の書き方 ミュージック・コピーイストへのファースト・ステップ」東京ハッスルコピー

スピードが命の新譜の現場では欠かせない存在の「写譜」のプロが、楽譜を書く上での基本的な手順、コツを分かりやすく解説しています。手であれコンピュータであれ、楽譜を書く機会のある方にはお勧めしたい1冊です。

  • トム・ゲルー/リンダ・ラスク 著 元井夏彦 訳 西尾洋 監修

    「エッセンシャル・ディクショナリー 楽典・楽譜の書き方」ヤマハミュージックメディア

一般的な記譜のルールを網羅的にまとめた辞典です。このルールが唯一絶対というわけではなく、国や出版社によって、細部についての考え方が異なる場合ももちろんありますが、持っていて損はない1冊。